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現役予備自衛官が執筆、という前評判だけは耳にしていたんですがてっきり軽いコメディだろうなと思って読み始めてみたら……

とんでもなかった。ガチ話でした！
憲法九条改正とかもろそっち方向に踏み込んでます。
途中、あちこちにオタネタが散りばめられてはいますが、いっそないならないで普通に成立してますね。なにせ憲法論が出てくるので、ラブコメが読みたいだけの人には少々重いでしょうが、考証が気になるミリオタやパトレイバー劇場版２あたりが好きな人は、これはもう読むしかないでしょう。

陸上自衛隊武山高校。ここの生徒は高校生にして自衛官で、下士官養成所となっている。普通科2年に所属する主人公の少年・大嶽隼人は、アメリカ兵に襲われそうになっていた衛生科に所属する美少女・磯鷲音矢を救ったことから彼女と友達になる。
しかしおだやかな日常は長くは続かない。
ある時政府首脳が暗殺され、防衛大臣で、武山高校校長でもある繭川巴が実質的な日本のトップに立ち、日本は激動にさらされることになる……。

いわゆるクーデターものです。
いやもう、事前情報は入れてなかったので正直驚きました。執筆者が予備自衛官という特性上、旗色を鮮明にしやすいからか憲法九条改正論に思いっきり踏み込んでます。架空戦記ならともかく、ラノベでここまで政治色の強い話は珍しい……というかたぶんこれ以外には存在しないのでは？
それでもちゃんと少年と少女の恋物語として成り立ってるのでそこら辺は好感度高し。

どういう結末を迎えるのか？　そこはみなさんの目でお確かめください。
さりげにオタネタがさながらニャル子さんのごとく散りばめられてますが、ストーリーラインがガチなので、正直些末な事柄に思えましたええ。