名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

ヴィクトリアン・ローズ・テーラー 恋のドレスは明日への切符

タイトル:ヴィクトリアン・ローズ・テーラー 恋のドレスは明日への切符(小説:コバルト文庫)
作者  :あおきゆうこ:青木祐子
絵師  :あき
デザイン:?
編集  :?

自分自身は内気で恋にも臆病、けれど腕は一流の仕立人クリスと、仕立はできないけれど事務や店の看板としてなくてはならないパメラ。二人の少女が営む仕立屋「薔薇色」は、それを着ると恋がかなうという恋のドレスを作るという評判で、今日も貴族令嬢が訪れる……。
大筋こんな感じの物語です。19世紀のロンドンの貴族社会が舞台ですね。恋のドレスとは反対に、人の心の見にくい面を増幅させるという闇のドレス、そして貴族を憎んでいる女を持ち出すことで、ただドレスを作るだけでなく、物語展開に緊張感を作りだしています。おすすめ。

5巻では、列車での移動や、その列車を追いかけて馬で先回りしたりと、当時のロンドンの交通の様子を生かした状況が繰り広げられて、その辺も見どころのひとつかも。ううん、それにしてもクリスが華やかなドレスを来てくれるのはいつのことやら。ぜひ拝見したいものですが……。
こういう話は、間違っても絶対に電撃文庫などの少年系のライトノベルでは読めない作品なので、アクション中心の物語だけを読むのに疲れてきた時は、一度少女小説に目を向けてみるとおもしろいですよ。


この作品の名台詞

「わたしは、恋をするのに理由なんかないと思っています。恋とは、したくなくたって、いつのまにか落ちているものなんです。そして――いったん恋したら、あきらめることはできても、自分からやめることはできなんです。たとえ、どんなに辛くても」
「――あなたの意見をきくと、恋をしないほうがいいと言っているみたい。好きにならなければ、いっそ幸せだと」
「いいえ。
でも、やっぱり恋をしていたほうが幸せなんです……。たぶん、そう思います」

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