名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

ウィザーズ・ブレイン VI 再会の天地 〈中〉

タイトル:ウィザーズ・ブレイン VI 再会の天地 〈中〉(小説:電撃文庫)
作者  :さえぐされいいち:三枝零一
絵師  :純珪一
デザイン:?
編集  :?

なんとあの!ウィザーズブレインがたったの数ヶ月で新刊を!とか思ったら、中巻でしたか。納得しました(ぇ

待機制御衛星の暴走により、太陽の光が地上に届かなくなったため食糧生産の一切を人工の食糧プラントに頼らざるを得なくなってしまった世界の物語。
I-ブレインを脳に埋め込んだ魔法士と呼ばれる特殊能力を使う人間が力を持ち、魔法士同士によるバトルが展開します。貴重なSFでもあり、戦闘描写が非常に独特でもあり、(主要キャラはそうでもないけど)一般市民はわりと死人が出やすい物語でもあります。
世界観の作り込みが見事で、一度取り憑かれると1年に1冊しか新刊が出なくても、「何年でも待つぜ!」という気にさせる傑作。

なお、この巻では敵味方という括りが非常に曖昧になっていて、いろいろ夢の組み合わせが見られます。いや、この先どうなっちゃうんだこれ。ホントにあと1巻で一区切りつくのかなあ。下の上巻とか出たりして。まあこのシリーズに関してはどこまでもついていきますとも!


この作品の名台詞

「一個だけ教えて。あんたはディーが人を殺すの、どう思う? この先、ディーがどんどん人を殺していくその隣にいて、あんたは何をするの?」
「――怒ります」
「……え……?
おこ……るの?」
「そうです。怒ります。
ディーくんが人を殺すのをわたしが許しちゃったら、ディーくんは本当に戻ってこれなくなっちゃう。だから、わたしはディーくんを絶対に許しません。
その代わり、わたしは自分を鍛えてもっともっと強くなります。ディーくんのお手伝いをして、ディーくんが誰かを殺さなくても戦いに勝てるように。わたしが誰も殺さなくても自分を守れるように。そうやって出来ることを全部やって、ディーくんもわたしもがんばって、それでもディーくんが誰かを殺さないとどうしようもなくなちゃったら……

そのときは、わたしがディーくんを叱ってあげるんです」

→解説


「じゃあ、責任を感じてるの? 僕らが引っ越さないといけないのは自分のせいなんじゃないかって、そう思ってるの?」
「そうだよ。錬のせい。モスクワ軍が錬を追って来てるから、急いで逃げないといけないんだ」
「――でも、良いじゃない。家族なんだから」
「錬は弟で、僕はお兄さんで、月夜はお姉さんなんだから。弟が困ってるんだから僕らが何とかするのは当たり前。誰のせいかって言われればたぶん錬のせいなんだけど、でも、錬はそのことで僕らに謝ったり悩んだりしなくて良いんだよ」

→解説


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