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抗いし者たちの系譜 逆襲の魔王

タイトル:抗いし者たちの系譜 逆襲の魔王(小説:富士見ファンタジア文庫)
作者  :みうらりょう:三浦良
絵師  :KIRIN
デザイン:?
編集  :?

いきなり魔王が勇者に倒されるという展開から始まる変化球ファンタジーでありながら、ただの変化球に終わらず、実に物語として読み応えのあるしっかりした作品です。
かなりのおすすめ。

冒頭が冒頭だけに、まあ普通の考えで行けば「魔王が勇者に復讐する話だろ?」と誰でも思うわけですが……うわーそう来たか!と思わず感心してしまいました。相手の先の先を読んで謀略が巡らされ、二転三転する展開は次の展開が読めず息をつかせぬうちに終幕へと辿り着くでしょう。
言いたい事は色々あるんですよ?
でもネタバレが! ああっ言いたい!
あれとかこれとかそれとか!
というぐらい仕掛けに満ちています。そしてこの作品新人さんのデビュー作なんですが、とてもそうは思えないぐらいしっかりしたものに仕上がっています。同時期にデビューした方の中では、私はもっともこの方に注目しています。


この作品の名台詞

「なぜ英雄と呼ばれる者達は、力において上位の存在であるはずの魔物達に勝てると思う? それは、運と、わずかばかりの才能と、厳しき試練が奴らに味方するからだ」
「はい」
「フェルグス。条件が揃っての事とはいえ、人間が越えてみせる壁をこの我が越えられぬと思うか?」
「いえ! ラジャス様ならば! それでこそ我が主!」
「そうだ。今の我が人と同じく弱く脆い存在ならば、人と同じく、いや、それ以上の修練をもって越えてみせよう! あの運命(ゆうしゃ)を……我は砕く!」

→解説


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from 鍵の壊れた部屋で見る夢 on 火曜, 2006/05/30 - 19:23

第17回ファンタジア長編小説大賞(審査委員賞)受賞作。 元・勇者にして現・魔王、そして人と魔物の統一帝国の初代皇帝となったサラに、元・魔王のラジャスが復讐を誓う…。運命に...