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銀色ふわり

タイトル:銀色ふわり(小説:電撃文庫)
作者  :ありさわまみず:有沢まみず
絵師  :笛
デザイン:?
編集  :?

この設定は卑怯!>褒め言葉です

いやいや、いい意味で実にあざとい設定なのでkanonとかAIRを好きな層には超ストライクでしょうこれは。
というわけで……繰り返すようですが、この設定が出来上がった時点で敗北は約束されたいたも同然です。

ある時、街角で気になる一人の少女を見た少年。驚いたように少年のことを見ていたその少女と、少年は数日後に再会することになる。
そこに存在しているのに、カメラやスピーカーといったデジタルツールを通さない限り、あらゆる生物が存在を知覚できない少女。
その逆に、少女の方でも地上のあらゆる「生物」は一切認識できないという。
そんな”黄昏の子供たち”の一人である少女に、ただ一人、お互いに存在を知覚することが出来る少年が現われたのだ……

ね? これはもう卑怯というほかないでしょう?
でも、最初から最後まで楽しませてもらいました。いいおとぎ話だったと思います。

余談ですが、私は作者名を全く見ないまま買ってそのまま読んだので、あとがきを読むまで作者が有沢まみずと知らずに、「おおなかなか達者な新人さんだ」などと、失礼極まりないことを考えてました(爆)。
デビュー作のインフィニティ・ゼロの内容を考えれば、なるほどと納得が行きますね。
なにはともあれおすすめです。


この作品の名台詞

「暖かい……。
暖かくて、暖かい。とても柔らかい」
「君もね。
君も暖かくて柔らかい」

→解説


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from Find Your Alter-Ego on 水曜, 2008/08/27 - 18:34

雪が降りそうな冬のある日。雑踏の中で、僕らはすれ違った。銀色の髪の、きれいな女の子。なぜか、目が合った僕のことを驚いた顔で見つめていて……なにも 起こるはずはない...