名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

パララバ―Parallel lovers

タイトル:パララバ―Parallel lovers(小説:電撃文庫)
作者  :しずきとおか:静月遠火
絵師  :こしじまはぐ:越島はぐ
デザイン:?
編集  :?

ちょっと不思議系の恋愛ものかな?と思ったら、甘かった!

ストーリー重視派ならば、この作品は絶対に読んだ方がいいです。
非常に緻密に構築された逸品。

この作者は、創作活動を始める大きなきっかけに「タイム・リープ」があったとあとがきで書いていますが、なるほどそれもうなずけますね。
というか、「タイム・リープ」と聞いて反応できる人も当然のように買いでしょう。
ミステリのように、いくつも蒔かれた伏線が徐々に収束していきラスト近辺の盛り上がりといったら!
いきなり連発しちゃってますが、やっぱり赤枠おすすめで。

彼が死んで自分の生きている世界と、自分が死んで彼が生きている世界。
二つの平行世界を繋ぐのは携帯電話。
二つのほとんど同じの、けれど違う世界で、やはりほとんど同じ出来事が進行していくというこの設定を非常に上手く生かしてます。
次第に明らかになる謎、また謎。
特に中盤以降、携帯電話だけを頼りに細い糸で繋がった二人が、それぞれ助け合いながら行動していく様は圧巻でした。

恋人でありながらも出会えない二人という、切ない青春ストーリーであり、同時にミステリ的な展開も秀逸。
ここまでの出来とは全く予想していませんでした。金賞は伊達じゃないですね。お見事!


この作品の名台詞

「地球の裏側にだって、行く方法はあるのにな」

→解説


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