名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

帝都たこ焼き娘。―大正野球娘。3

タイトル:帝都たこ焼き娘。―大正野球娘。3(小説:トクマ・ノベルズEdge)
作者  :かぐらざかあつし:神楽坂淳
絵師  :小池定路
デザイン:?
編集  :?

時代は大正。
まだ日本に入ってきて歴史も浅く、女性が野球をやるなど思いもよらなかった時代。
東邦星華女学院の乙女達は、ちょっとした経緯から殿方と野球をして勝つという無理難題に挑戦することに……。
実際の野球史ではもちろんありえない、スポーツ生理学やスポーツ工学などは確立していなかった当時に、金属バットや栄養食、スパイクなどといった道具を「発明」し、さらには戦術も工夫して互角に勝負してみせるというおもしろい作品です。

が。3巻は幕間的な位置づけで野球しません。食べ物対決してます(笑)

時代背景もちゃんと考慮した上で、あくまで上品に、でも年頃の娘らしいかしましさも前面に出した良作です。おすすめ。
あと、作品内では上品な友情レベルの描写に留まっていますが、妄想百合の好きな人にもおすすめ(笑)

今回は野球対決してないんで、スポ根もクソもないのですがその代わり雰囲気としては学祭のようなお祭り感覚があります。
あと、とにかく食べ物の描写には気合い入ってますね。やっぱり当時にはまだ存在しなかったはずのメニューなんかもそれとなく「開発」しちゃうあたりが実におもしろい。大正という時代設定ならではの技ありかと。

今回、不思議なカリスマを持っている小梅を、みんなで取り合ってるのが実に”いい”ですねー。
かっこいい印象の強い巴をはじめ、乃枝、お嬢、さらには他校の生徒まで巻き込んで誰が小梅と「ランデヴー」できるかで水面下の争いが……。
和装と洋装がちゃんぽんだったり、はしたないことには引きまくりだったり、デートじゃなくて「ランデヴー」だったりと大正という設定ならではの小技がいろいろ効いてます。今回はのんびり楽しめました。


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from お亀納豆のライトノベルまっしぐら on 火曜, 2009/06/23 - 00:10

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