テルミー きみがやろうとしている事は
作者 :たきがわれんじ:滝川廉治
絵師 :七草
デザイン:?
編集 :?
第一級の青春小説。開始わずか数ページにして作品に惹き込まれてしまいました。
ごちゃごちゃ書き連ねるよりもよほど破壊力があると思うので冒頭を以下にご紹介。
この物語には、二十六人の高校生の男女が登場する。
当然のようにこの物語は、二十六人の死と青春を描くものになる。
そしてこの物語は、必ずハッピーエンドを迎える。
なぜなら、この物語は始まりの時点が最も悲惨で、最も間違った状況だからだ。
彼らのうち、二十四人は、物語の始まりと同時に死亡している。
これが書き出しです。
どうです、嫌でも興味を惹かれるでしょう!! そして当然のように赤枠おすすめで。
主人公は、修学旅行での事故によりクラス24人もが死んでしまった中、ただ一人だけ生き残った少女と、当日欠席していて助かった少年を軸に進みます。
これ以上の語りは必要ないと思うので、あえて一切書きません。
このうえなく青春を感じさせる内容であるとだけ言っておきます。
ああそうだ、最初てっきり作者は新人さんとばかり思い込んでたんですが、実は「超人間・岩村」でデビューした方だったんですね。あの作品は、実力は間違いなくあったものの主に「需要」という名の壁があって苦戦を余儀なくされたのだと思いますが、このシリーズはぜひとも綺麗に完結させて欲しいです。その意味も込めて全力で応援します!
この作品の名台詞
「納得のいく答えなんて、あるわけがないのよ。身を裂くような悲しみを、目の前が真っ暗になるような絶望を前に、『試練』だの『運命』だのと陳腐な説明をされたって、何の意味もありはしない。
『どうして、努力したのに報われない?』
『どうして、こんなひどい事が?』
『どうして、この世界は不幸と悲しみに溢れている?』
――うんざりよ! どんな答えにだって、意味なんかない!」
「だから、考え方を変えるしかない。『どうして』じゃなくて、『どうする』かに。
『努力したのに報われなかった』――どうする?
『とてもひどい事が起きた』――どうする?
『この世界には不幸と悲しみが溢れている』――どうする?
どうしては、なにも変えない。何も生まない。何の意味もない。
だから、そんな無意味な事はもうやめて、どうするのかを考えなきゃいけない。悲しいからこそ。悔しいからこそ。こんな事は間違っていると、本当に思っているのなら」
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