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“菜々子さん”の戯曲 Nの悲劇と縛られた僕

タイトル:“菜々子さん”の戯曲 Nの悲劇と縛られた僕(小説:スニーカー文庫)
作者  :たかぎあつし:高木敦史
絵師  :笹森トモエ
デザイン:?
編集  :?

第13回角川学園小説大賞<優秀賞>受賞作。
帯に「最終選考で物議を醸した」とあったんですが、読んでなるほど。
これはかなりミステリに軸が寄ってます。しかも構成にもかなり癖がある。
文体とか内容の問題で序盤は読むのがキツイと思われますが、そこを我慢すれば中盤以降のミステリ展開はかなり読み応えあり。

なお、普通のラブコメを期待する人には端から向いてないのでご承知おきを。

菜々子さんが突然、3年まえの事故について「わたしは、あの事故は、事件だったと思うの」と語り出した。
かくして3年前に遡り、菜々子さんの特殊な病気、さらにはその病気に至った事故について、時系列が行きつ戻りつしながら語られていきます。

ものがミステリだけにネタバレ防止しつつ語るのがなかなか難しいんですが……
読者でも考えれば気づけるような仕掛けになってますね。(私はもちろんかけらも気づいてませんけどね!) おお、それにしてもなんという殺伐とした人間関係。
この裏の裏の裏を探るような異様な緊張感がたまりませんね!


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