名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

ニーナとうさぎと魔法の戦車

タイトル:ニーナとうさぎと魔法の戦車(小説:スーパーダッシュ文庫)
作者  :うづきりゅうのすけ:兎月竜之介
絵師  :BUNBUN
デザイン:?
編集  :?

第9回スーパーダッシュ小説新人賞<大賞>受賞作。

魔導戦車による戦いが熱い!
戦争で使われた新型兵器の影響で、魔導戦車が狂い野良戦車として人々を脅かす存在になってしまった、そんな世界での物語。
奴隷のような扱いに耐えかねて村から逃げ出した少女・ニーナを待つものは?
おもしろかったです。おすすめ。

戦車の動力力として奴隷のように使われてきたニーナは、その扱いに耐えかねて脱走するが、無一文で逃げながら盗みに入り飢えをしのぐ日々。そしてとうとうその行為を見つかってしまうが、その相手は野良戦車から街を守る私立戦車隊、通称・首なしラビッツのメンバーだった。彼女らに拾われたニーナは、人員が不足していた戦車隊の砲手として誘われるが?

ニーナの戦争に対する嫌悪感、しかし自分の境遇を作ってしまった相手に対する憎しみ、それでも否定は出来ない戦車に乗ることへの喜び、そういった感情の機微が上手く表現されています。
また、戦車隊は女しかいないので、(実際のキャラはほとんどノーマルなんですが)妄想百合に浸りたい人にもいいんではないかと(笑)。
むろんイラストの完成度については言うに及ばず。将来が楽しみな新人さんです。


この作品の名台詞

「私たちには人を殺す機会が何回もあったよ。
ラビッツは私立戦車隊だ。昔は野良戦車だけじゃなくて、頻繁に野盗とも戦ってきた。商人のキャラバンに護衛を頼まれることも多かった。けれども、私たちは首なしラビッツの名にかけて、絶対に人間を殺したりはしなかった!」
「奪った首が一つもない……」
「大正解だよ、ニーナ!
相手が悪意で攻めるなら、こちらは善意で反撃しよう。憎しみによる暴力がはびこっているのなら、正しい力の使い方を教えてやろう。首なしラビッツというチームはね、戦時中にはあり得なかった正義の味方なのさっ!」

→解説


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from monumenta librorum on 日曜, 2010/10/31 - 21:04

スーパーダッシュ小説新人賞の大賞受賞作。ファンタジーだが、魔法で動く戦車が登場する話。主人公の少女が戦車隊に入ることになる話。やはり、ファンタジーなので、戦闘関係はそれ...