名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

灼熱の小早川さん

タイトル:灼熱の小早川さん(小説:ガガガ文庫)
作者  :たなかろみお:田中ロミオ
絵師  :にしむら:西邑
デザイン:?
編集  :?

学級崩壊の危機に立ち向かう規律の権化の眼鏡女子!

空気を読んで上手く立ち回る高校生が、クラス代表として空気などものともせず規律至上主義の少女を観察しつつ第三者的な立ち位置をキープするはずが、気がつけばすっかり深みにはまっているという……
公式の謳い文句では「ヒロイン観察系ラブコメ」となってますが、終わりこそほっとさせるもののラブコメと言えるほど軽い話でもないんでそこはご承知のほどを。とはいえおもしろかったです。

空気を読んで立ち回る男・飯嶋直幸。
しかし彼のクラス代表に小早川千尋が就任したときからそのぬるま湯は終わりを告げる。締め付けられる規律の数々! たまりかねた周りの連中によって、緩衝材としての役割を期待されてクラスの副代表をやらざるを得なくなった直幸だが、最初は千尋のその行動を「かっこ悪い」くらいにしか思えていなかったが、やがて別の一面が見えてくる……。

クラス崩壊へと向かっていくひとつひとつの描写が妙に生々しくてやべえええ!!
自分の高校時代は、とても公立とは思えないくらいかなりフリーダムなところで学祭とか体育祭文化祭併せて一週間くらい開催しちゃうような学校だったんで、正直この小説に出てくる状況は想像が難しかったりするわけですが……

それでもこういうクラス全員が大して悪気のないまま勝手気ままに振る舞って、秩序崩壊に追い込むというのは今のご時世では十分にありえる話なのでかなりうわーって感じで読むことに。おかげで妙に読むのに時間かかっちゃいました(汗

せっかくなら千尋無双のあのシーンはぜひきっちり描写しきって欲しかったんでそこだけが残念ですが、読後感はよかったんでアリってことで。


作品一覧


トラックバック

http://maijar.jp/?q=trackback/5670
from monumenta librorum on 月曜, 2011/11/14 - 00:53

学園物のコメディーというか、割と青春物的な話である。ラブコメ的な要素もあるが、基本的にはスクールカーストをベースに、秩序を探るようなことがテーマになっている。面白いこと...

from 映画とライトノベルな日常自販機 on 金曜, 2011/10/07 - 16:09

灼熱の小早川さん 田中 ロミオ (著), 西邑 (イラスト) ガガガ文庫 2011年9月17日     【ストーリー】 主人公の飯島直幸は勉強や人間関係をそつなくこなし、県下でトップレベルの進学校であり、生徒の自主性と伝統を尊重する校風の県立今野高校に入学しました。 人当たりもよくクラスで人気者の彼の楽しみは、毎夜「インターネット最高裁判所」というブログを読むことでした。 平穏で波風の立たないクラスに突如登場したのが、入学式からしばらく体調不良で欠席していた小早川千尋です。 彼女...