名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

過去ログ

07/04/08 - の記事

本日の名台詞 その4

「あの子、すごい真っ直ぐじゃない」
「大事にしてるものがあって、そのために一生懸命で、折れないし曲がらないの」
「止まらないの。止められないの。わかる? 譲れない物が、一番に背中を押してくの。目の雨にどんな木や壁があってもおかまいなしに正面衝突させてくの。痛いったらないわよ」
だけど羨ましかった。


タイトル:マイフェアSISTER―姫君、拳を握りすぎです。(小説:ファミ通文庫)
作者  :たけおかはづき:竹岡葉月
絵師  :きゆづきさとこ
デザイン:?
編集  :?
キャラ :江戸川睦月 (263 P)



 ▼本日の作品&台詞解説▼

元・天才子役、今はただの一少年として日々を送っていた師走と、異世界の姫君とのボーイミーツガールな青春物語。
異世界~とは言いましたが、基本的に物語は現代日本で進行し、特にファンタジー方向に傾倒しているわけではないので普通に楽しんでいただけるます。
(や、世間にはけっこうファンタジー回避症の人がいるみたいなんでこうやってフォローに回ってるわけですが)

本日の名台詞 その3

「……お前、絶対その内、人を殺すぞ」
「そのときは、阿良々木くんにするわ。初めての相手は、阿良々木くんにする。阿良々木くん以外は、選ばない。約束するわ」
「そんな物騒なことをいい台詞みたいに言ってんじゃねえよ! 僕、お前のことは好きだけど、殺されてもいいとまでは思わないよ!」
「殺したいくらいに愛されて、愛する人に殺される。最高の死に方じゃないの」
「そんな歪んだ愛情は嫌だ!」
「そうなの? 残念ね。そして心外だわ。私は阿良々木くんにだったら――」
「殺されてもいいっていうのか?」
「……ん? え、あ、うんまあ」
「曖昧な返事だーっ!」
「うんまあ、それは、そうね、よくないけれども」
「そして曖昧なまま断ったーっ!」
「いいじゃない、納得しなさいよ。私が阿良々木くんを殺すということは、つまり阿良々木くんの臨終の際、一番そばにいるのがこの私ということになるのよ? ロマンチックじゃない」
「嫌だ、僕は誰に殺されるとしても、お前に殺されるのだけは嫌だ、誰にどんな殺され方をされてもお前に殺されるよりはマシな気がする」
「何よ、そんなの、私が嫌よ。阿良々木くんが私以外の誰かに殺されたなら、私はその犯人を殺すわ。約束なんか、守るものですか」


タイトル:化物語(上)(小説:講談社BOX)
作者  :にしおいしん:西尾維新
絵師  :VOFAN
デザイン:?
編集  :?
キャラ :阿良々木暦&戦場ヶ原ひたぎ (295 P)



 ▼本日の作品&台詞解説▼

とにかく怒濤で圧倒的な言葉遊び、それが化物語のすべてです。
高尚なテーマとかそういったものなど無くても、掛け合いをここまで昇華させることでささいな筋書きなどすべて吹き飛ぶくらいの存在感とおもしろさがあります。
これに関しては、上下巻揃えるとそれなりにお値段がかかっちゃうんですが、それだけの見返りはあると断言しましょう。

それでは台詞解説……の必要もない気はしますが。

本日の名台詞 その2

「一緒って、嬉しいね」


タイトル:私の愛馬は凶悪です(小説:ファミ通文庫)
作者  :あらいてる:新井輝
絵師  :ひかぎたつひこ:緋鍵龍彦
デザイン:?
編集  :?
キャラ :射水位里 (265 P)



 ▼本日の作品&台詞解説▼

女たらしだと思っていた射水君の行動に耐えかねて意見したところ、あっさりつきあっていた他の女の子との関係をすべて破棄、なんだか気がつけば射水君の話し相手を務めることになってしまった霧里。この一風変わった出会いをした二人の恋?の行方を描いた青春ストーリーです。

本日の名台詞

「浅羽の好きにして」


タイトル:イリヤの空、UFOの夏〈その2〉(小説:電撃文庫)
作者  :あきやまみずひと:秋山瑞人
絵師  :駒都えーじ
デザイン:?
編集  :?
キャラ :伊里野加奈 (83 P)



 ▼本日の作品&台詞解説▼

ふと「イリヤの空、UFOの夏」が目についたので紹介してみます。
涙無しでは読めないボーイミーツガールなSF。序盤はバカ騒ぎの高校生活をレッツエンジョイというああ思春期は暴走だ!!というノリなんですが、ところどころに不穏の種は蒔かれていて、中盤以降に一気にそれが押し寄せてくる。あの髪の毛のくだりとか、もう切なすぎです。名作ですええ。

出版社のリーフ/雄飛、業務停止

のべるのぶろぐの記事経由で知りましたが、4/6付の新文化 - 出版業界紙 - ニュースフラッシュ関連ページによると、出版社のリーフ/雄飛が4/5付で全社員に解雇通告を行い、破産整理の手続きに入った模様。

出版社のリーフは、ZIGZAGNOVELSを展開していたところです。
現状ライトノベルのレーベルは(きちんとした数字による市場分析ではなく、長年読者をやっている一個人の感覚ですが)既に飽和状態に突入しており、ここに小学館のガガガ文庫&ルルル文庫が創刊されるとなると、もはや「みんなで仲良く市場を分け合う」のは不可能だろうと考えています。このZIGZAGについては、ちらっと噂を耳にはしていたんですが、まさか会社本体が倒れるとは思いませんでした(汗
ともあれとうとう最初の戦死レーベルが出てしまいましたねえ……。