名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

紅~醜悪祭 下

タイトル:紅~醜悪祭 下(小説:スーパーダッシュ文庫)
作者  :かたやまけんたろう:片山憲太郎
絵師  :山本ヤマト
デザイン:?
編集  :?

えーと、これについては既に読み終わった各方面で「薄すぎる」との報告が上がっていたんで、心して読んだわけですが……

これはひどい。残念ですが擁護しようがないです。

アニメに合わせて何が何でも本を一冊出したかったという大人の事情丸見えでかなり萎えました。
下手すると一部の読者から切られかねないレベルだと思うんですが……

うちは基本的に長所を論じるところであって、短所についてはスルーが基本なのですが、今回は特例として中身について検証しておきます。

1.挿絵は問題なし。
使われている枚数は変わらないので、ページあたりのイラスト数はむしろ多くなってます(苦笑

2.本文は実質14~122Pだけ。
薄いと言われた上巻でも一応200P以上はあったんですが……。そして、よーくレイアウトを見るとわかりますが、上巻で1ページ18行だったのが1行減って17行になってます(1行あたりの文字数は42文字で一緒)。

3.巻末付録について
水増しなのはまるわかりですが、紅用語辞典と銀子によるQ&Aは本編に関わるのでこれはありでしょう。
が。
アニメの1話の脚本も丸々掲載されてます。いったい何割が目を通すんでしょうね?

4.全然下巻じゃありません。
これこそが読むものの怒りを買った最大の原因でしょう。
下巻と銘打ちながら誰がどう見ても明らかに話に全然区切りがついてません。
この終わり方が許される状況なのはただひとつ、
「片山先生の次回作にご期待ください!」の時だけです。
アニメ化を逃すわけにはいかないという商業としての事情があるので、この状態で出すことはやむを得ないかもしれません。
が、なぜ「中巻」としなかったのか? それが一番の謎。

内容そのものは決して悪くはなかったので、きちんと一冊まとまった状態で出していればまず間違いなくおすすめ認定できるレベルだったんですが……非常に残念です。
せめて二度は同じ事を繰り返さないように願うばかり。


この作品の名台詞

「少年。女は恋で輝くが、男は苦難で輝くものだよ」

→解説


シリーズ一覧


作品一覧


トラックバック

http://maijar.jp/?q=trackback/2580
from ちょいヲタ?バスタア日記 on 月曜, 2008/05/05 - 19:50

紅~醜悪祭 下 (3) (集英社スーパーダッシュ文庫 か 9-7) posted with amazlet at 08.05.05 片山 憲太郎 集