名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

狼と香辛料 (2)

タイトル:狼と香辛料 (2)(小説:電撃文庫)
作者  :はせくらいすな:支倉凍砂
絵師  :あやくらじゅう:文倉十
デザイン:わたなべひろかず:渡邊宏一
編集  :?

ライトノベルとしては非常に希有な存在である、経済を前面に押し出した、中世風の世界が舞台のファンタジーです。おすすめしまくってます。
ああでも「経済!」とかいって構える必要はありません。
賢狼であるホロのしっぽ(笑)と小悪魔的な態度に撃墜されるがいいのだ!(含む自分)

ファンタジーとは言うものの、こと経済にかんする限りは超常的なご都合主義ではなく、あくまでも正統な商業活動の範囲内で物事は進行します。ミスやらなにやらでピンチに陥った主人公はいかにして起死回生の逆転をするのか? 物語は二転三転しますのでドキドキハラハラしっぱなし。ヒロインのホロはさすがに老獪というのかロレンスをさんざんっぱらもて遊ぶような言動をしたかと思うと、ちょっとすねてみたり妙に素直な時もあったりと、とにかくロレンスだけでなく読者も翻弄してくれます。
今、もしかしたらもっとも続きが待ち遠しい作品かもしれません。おすすめです。


この作品の名台詞

「……ぬしよ」
「一つだけ、答えてくりゃれ」
「ぬしが……こんなお人好し、なのは……」
「な、なんでじゃ?」

→解説


「ホロ。俺たちは騎士道物語の中に生きているわけじゃない。裏切られたから相手に復讐してさあおしまい、じゃない。この後も生きていかなければならない。それに、裏切りの復讐の仕返しをされるかもしれない」
『ならば』
「倒れてる連中を噛み殺すなんて事は言ってくれるな」
『ゥ……』
「それに、俺たちが明日パンを買う金が、人の血で汚れているというのは居心地が悪い。物事にはたくさんの終わらせ方があるだろうが、明日もまた生きていくのであれば明日につながるものを選択しなければならない。そうだろう?」

→解説


「大体じゃな、わっちのように男と二人旅をしとる者に、狼に詳しいのかと聞くのはおかしいということでありんす」
「よいか? そのような者に対し、狼に詳しいかと聞いたところで答えは決まっているようなもの。なぜならの」
「なぜなら、夜になれば狼は常に現れるからじゃ。目の前に、こんな可愛い兎がおるんじゃからの。毎晩狼に食べられる兎が、狼のことを知らぬわけがあるまい?」
「うふふふふふ。うむ、よい反応じゃ。しかしの。先ほどのわっちの答えを思い出すがよい」
「わっちの連れこそどちらかといえば兎じゃ。かまってやらぬと寂しさで死んでしまう」

→解説


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from ライトノベル名言図書館 on 水曜, 2006/06/21 - 00:57

狼と香辛料 著者/支倉凍砂 イラスト/文倉十 電撃文庫/メディアワークス .

from F.Y.A.E./review ver. on 水曜, 2006/06/14 - 13:43

今年最大の話題作候補の2巻「狼と香辛料〈2〉」です。しっぽ萌え中毒者がライトノベル書評サイトで増殖の一途をたどってます。
狼神ホロとの二人旅を続けることを決めた行商人ロレ...