名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

狼と香辛料 6

タイトル:狼と香辛料 6(小説:電撃文庫)
作者  :はせくらいすな:支倉凍砂
絵師  :あやくらじゅう:文倉十
デザイン:?
編集  :?

商人であるロレンスと、見た目美少女(獣耳と尻尾は標準装備)、でも正体は狼……それもただ者ではない狼であるホロの旅路を描いた経済要素の入ったロードノベルです。
やはり一番大きいのは中世的な世界観に経済という要素を取り入れた事。商人が主人公というライトノベルは既に希有な存在ですが、単純な現物のやり取りによる商売に終わらず、先物取引のような特殊な取引も採用する事で、この作品ならではの臨場感が出ています。
もちろんホロの存在なくして語れないのは明らかですけどね!

見た目は少女でも、中身はロレンスなど足元にも及ばないくらいの年月を経ていて、非常に老獪な性格。
ロレンスとてそれなりに頭は切れる方なんですが、いいように手玉に取られています。しかも始末に負えない事に、時折そこに少女っぽい表情が混ざったりそれが計算によるものか素なのか判然とせず、すっかりホロのおもちゃです。
でもロレンスも一方的にやられているわけではなく、会話は常に真剣勝負(笑) 裏の裏を読むようで、それでいて相手への絶対の信頼も含んだ会話がまた心地いいですね。
イラストも、これ以上ないハマリ具合で、可憐さと老獪さが同居したホロの表情が見事に再現されてます。

長々と魅力を説明しましたが、つまりはいいものだからぜひ読んでくださいな、と。
なお6巻ですが、ラストの展開にやられました。
あれは反則だ。


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