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SAS4

タイトル:SAS4(小説:HJ文庫)
作者  :とりいひろし:鳥居羊
絵師  :まったくモー助
デザイン:?
編集  :?

素敵な物語をありがとうございました! 全4巻で完結です。
日本で普通の暮らしを送っていたはずの双子の兄妹・山階立夏と紗友には、実は出生の秘密がありリヴォニア公国の政争に関わっていくことに。
そんな山階家の二人を護衛するために派遣されてきたのがアナスタシアら三人の少女たち。可憐に見えて、特殊訓練を受けた精鋭である彼女達に護られる日々が始まり……。

銃をはじめとしたアクションは、仰々しさはないもののかなり本格的でその手の人にも満足してもらえる出来。でも蘊蓄などにページを無駄に割いたりはせず、軍事ネタにアレルギーのある人でも自然に読めるレベルです。
そして、双子の兄妹の微妙な関係や、アナスタシア達との関係は、かなり上質な青春小説でしたええ。

リヴォニアの政情不安から、難しい選択を迫られることになる立夏と紗友。
特に紗友は、立夏に対する非常に微妙で、しかし押さえがたい想いからとある行動に出ます。それは……
ネタバレしちゃおもしろくないんでその辺は書きませんが、非常に繊細な思春期の少年少女の恋愛感情を丁寧に描写していますね。
そういった部分だけでなく、リヴォニアのデリケートな政治的立場や、政情不安の解決方法、それからアクションでの立ち回りなど見どころはたくさん。
銃の握り方とかそういうちょっとした部分にこだわりを感じました。
極端な派手さはないものの、どれもかなり高いレベルで出来上がったいい話でしたね。

そして、立夏の恋の行方は……これもやっぱり直接お確かめを。
この作者の人(新人さんです)が、新シリーズ出したらぜひまた買わせてもらいます。


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