名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

神さまのいない日曜日II

タイトル:神さまのいない日曜日II(小説:富士見ファンタジア文庫)
作者  :いりえきみひと:入江君人
絵師  :茨乃
デザイン:?
編集  :?

15年前神様から捨てられた世界。
もう新たな命は生まれず、死者は死んでもそのまま活動し続ける。そんな「死ねない死者」を唯一鎮めることができる墓守の少女の物語。

2巻になって、さらに主人公の墓守少女アイのキャラには深みも出て、物語としても一段とおもしろくなってきましたよ!

誰もが考えもしない、世界を救う夢を見ているアイは、仲間になったスカーやユリーとともに旅を続ける途中で、一人の少年と知り合ったことが縁で、世界最大の「死者の国」オルタスへ向かう。
そこは文字通り死者ばかりが暮らす国だった……。

アイは、基本的におバカなくらいの前向き思考のキャラなんですが、時として物事を遠くから俯瞰しているような鋭い読みで裏に隠れた真相を暴いたり、こうと言い出したら絶対にそれを押し通そうとする怖いくらいに一心な部分があって、そこがアイの魅力を引き立てます。
死者と墓守が、重要なキーワードになっているため物語はどうあっても明るく終わる話ではありません。アイの存在は作中での救いとして機能しているのですが、それでも追いつかないシビアな部分も存在するところに物語の魅力があります。

基本的に、アイがありあまる存在感を発揮して終了かなと思ったんですが……
おっとこの先は秘密です。


この作品の名台詞

「わたしは、そういうことが、ほんとうにいやなんです。私の知らないところで私のことが決められて、ぜんぶ手遅れになって全てを知るのは、もう二度とごめんなんです。
私は、二度と、知らないままで過ごすことをしないって、決めたんです。――目を閉じて、耳を塞いで、死んだふりをして生きていかないって、決めたんです」
「……そうか」
「はい、だから、ユリーさん。これからはそういう事、全部話してください。私が傷つくとか、不幸になるとか、そういうことは全部いいですから。それは私が決めますから」

→解説


シリーズ一覧


作品一覧


トラックバック

http://maijar.jp/?q=trackback/4604