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小さな魔女と空飛ぶ狐

タイトル:小さな魔女と空飛ぶ狐(小説:電撃文庫)
作者  :みないだいすけ:南井大介
絵師  :大槍葦人
デザイン:?
編集  :?

どこにも名言はされていませんが、おそらく前作「ピクシー・ワークス」と同一世界観の物語。
ただし、前作と直接の繫がりは一切出てこないので読んでいなくても全く問題ありません。
ただ、コミカルな部分もあるようで、冷徹な部分が影を潜めているあの感覚は共通です。

物語の軸は二つ。
夜間戦闘のエースで「狐」と呼ばれ恐れられたクラウゼが、わずか16歳の天才少女科学者アンナリーサの補佐を命じられ中間管理職として大変な目に合いながらも、彼女とうまく折り合っていく話。
そして、アンナリーサと、もう一人の理性あるまま狂った中年科学者の二人の天才によって、戦争そのものが大きく形を変えてしまうそんな話。
個人的にはこういうお話は超好きですええ。

ある日唐突に、前線から呼び戻されたクラウゼを待っていたのは、「内戦終結の切り札」と期待される天才少女科学者・アンナリーサの補佐をすることだった。傲岸不遜でわがままな彼女に振り回されつつも、なんとか周囲と上手く立ち回り新兵器開発への道筋をつけていくうちに、敵側にも同じく天才科学者がいることが発覚。かくして相手を圧倒し早期戦争終結を図るために、二人の天才はしのぎをけずる。

アンナリーサのツンデレぶりにほわほわするのもいいですが、決してこの物語はそれで終わりません。殺人の自覚がないまま無邪気に兵器開発を続ける彼女に、「死の現実」を突きつけます。むしろそこからが本当にはじまりかもしれません。

我々の世界と違うIFという形で開発されていく兵器などもおもしろいです。核反応を使わない大量破壊兵器とかね。
「ピクシー・ワークス」と同一ではないか?と推測したのは、東方の黒い魔女の名前『天城蓉子』の天城の姓があちらでも登場しているため。うーん、どういう世界地図になっているんでしょうか。だんだん明らかになっていく、といいなあ。


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from monumenta librorum on 日曜, 2010/10/31 - 20:37

ヨーロッパ風の世界を舞台にした戦争物。二つの国の天才科学者による兵器開発競争の話になっている。主人公は天才少女科学者の補佐を務めることになったパイロットになっている。架...