名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

僕はやっぱり気づかない

タイトル:僕はやっぱり気づかない(小説:HJ文庫)
作者  :のぞうみこうた:望公太
絵師  :タカツキイチ
デザイン:?
編集  :?

第5回ノベルジャパン大賞<金賞>受賞作。
ラノベ史上、最鈍感男という看板に偽りなし!

いやー、これはすごい。
「鈍感な主人公」ってラノベでは半ばお約束とも言えるんですが、この作中に出てくる主人公はそんなちゃちな代物じゃないです。恋愛方面が鈍感なわけじゃない……いや恋愛もなんだけど、それは本筋じゃないのです。じゃあなにが鈍感なのか?

ラノベの主人公って、たいていヒロイン絡みで異能を巡るゴタゴタに巻き込まれ否応なしに非日常に飛び込んでいきます。
が、この主人公は全く異能に気がつかない!
正直言って、読んでるとだんだんイラッとしてくるくらいヒロイン達の異常に気がつきません。が、この物語の本領は中盤以降。主人公の鈍感に明確な理由付けがされているので納得させられるというわけ。これは完全に「お約束」を逆手にとってきましたね! 黒枠おすすめで。

日常を退屈だと言いながらも平凡を愛する少年・籠島諦。その鈍感ぶりは超絶を極める。主人公の回りに、怪しい言動を繰り返す少女たちとお近づきになっても、いっこうに異変に気がつかないのだ!

はい、徹底してます。魔法使いだろうが、超能力者だろうが、彼女たちが世界の危機を救いに行こうが決して気がつきません。いっそすがすがしいまでに気がつきません。
途中でもしかして投げ出したくなるかもしれませんが、がんばって読み続けましょう。これはうまく落としたな-。

なお、個人的にはきれいに一巻でまとまってるし割と一発ネタの要素が強いので、無理に続けなくてもいいかなーと思いますが、さてはてどうなることやら。


この作品の名台詞

「忘れないでね。諦くん」
「この世界には、正義の味方なんていない。これから先、もしもそれっぽい人達が現れても、絶対に気づかないであげてね。非日常の全てを『気のせい』の一言で済ませられるような、器の大きな男になるのよ」

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