名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

ジョン平とぼくと

タイトル:ジョン平とぼくと(小説:GA文庫)
作者  :おおにしかがく:大西科学
絵師  :銀八
デザイン:?
編集  :?

ひじょーに説明のしにくい作品ですがなんとも味わい深い部分があります。
もし店頭で買うかどうか決めようと思っている場合は、巻末に小川一水さんの解説が載ってますので、それを参考にしてみてください。たいしてネタバレはないんで大丈夫。作品の本質をみごとに捉えているので、解説でピンとくるものがあったらそれで購入に踏み切ってok、たぶん満足できると思います。
人間には、動物の使い魔が必ずセットとして生活する世界。人間の馴致によって使い魔の知能もあがっていく、最後にはほとんど主人である人間と同じレベルと思考形式と知性を獲得していきます。この設定について詳しく語るだけで大変なことになるので以降割愛。
主人公は魔法があまり使えないみそっかすな少年と、使い魔としてはあまり見どころがない(ようにしか見えない)犬・ジョン平のコンビ。このイマイチぱっとしない主人公とジョン平によるゆるーい日常が淡々と描かれていきます。……という話だとばっかり序盤を読んだ段階では思ってましたし、それは間違いではないんですが……そこで引き出しが終了ではなかったのがこの作品の魅力を高めていますね。
この緩さがダルいと思われる人も中にはいるでしょうが、この空気感は実にいいものです。おすすめ。web短編もよかったらどうぞ。


この作品の名台詞

「ランドセル。かえで。ろうそく。ぶどう酒。くじら」

→解説


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from ラノベ365日 on 木曜, 2006/09/21 - 01:57

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