扉の外 2
作者 :どばししんじろう:土橋真二郎
絵師 :白身魚
デザイン:?
編集 :?
気がつくとクラスの人間全てが閉鎖空間に閉じこめられている、という状況の中で起こるゲーム小説。
そもそも舞台設定が同じなので、視点が1巻とは別のクラスとはいえだいたい物語構造的にも似通ってます。ただ、1巻に比べて主人公は受け入れやすい性格であるのと、投げっぱなし設定にも慣れていることもあって特に抵抗なく楽しむことが出来ました。
閉鎖空間内で起こる集団心理の行き先、謎のAIの画策するゲームの行方など、ゲーム小説としてはかなり楽しめます。
が。
以下は、普段ナビゲーターであることを心がけているためあえてあまり書かないようにしている個人的な感想。半分愚痴かつ、ネタバレなんでご注意を。
1組の女神様である正樹愛美の扱いがあまりにももったいない!
集団として捉えた場合の、人のもめ事なんかは比較的よく書けていると思うんですが、これが個々の人間の考えていることとなると、「君らいったい何考えて行動してるのか?」というのがどうもわからないんですよね。単に書く気がないだけなのかもしれませんが、それでも、基本的にはだいたい個々のキャラクターは掴めます。ただ、正樹愛美だけは……。
作者の意図した方向に物語が進むように便利に使い倒されているだけの無機物のような印象さえ受けます。
だって、こんな優等生かつ現実主義者でパニックひとつ陥らず全方向博愛主義者って何者ですか? もし、最初から正樹愛美視点の続編を意識して、あえてこういう得体の知れない怪物的な描写をしているんだとしたらもはや降参するしかないですが、そうでない場合、どうにも正樹というキャラには現実味がなさすぎでどうにもこうにも……。
というわけで、扉の外3で、正樹愛美視点の物語が展開されることを心待ちにしています。
シリーズ一覧
作品一覧
『扉の外 3』
『ツァラトゥストラへの階段』
『ツァラトゥストラへの階段 2』
『ツァラトゥストラへの階段 3』
『ラプンツェルの翼』
『ラプンツェルの翼 2』
『ラプンツェルの翼 3』
『ラプンツェルの翼 4』
『アトリウムの恋人』
『アトリウムの恋人 3』
『楽園島からの脱出』
『楽園島からの脱出II』
『OP-TICKET GAME』
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扉の外 2 (2) 作者: 土橋真二郎 出版社/メーカー: メディアワークス 発売日: 2007/05 メディア: 文庫 うーん、1巻をとても楽しんで読んだ口ですので、この2巻の出来は心配だったのですが...
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