名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

お・り・が・み 澱の神

タイトル:お・り・が・み 澱の神(小説:スニーカー文庫)
作者  :はやしともあき:林トモアキ
絵師  :2C=がろあ〜
デザイン:?
編集  :?

大団円!
そして、これはもう某所の表現を借りずにはいられません。
最高傑作!

聖なるものと魔、そして人間の関わり合う何が正しくて何が間違っているのか、どちらが正しいともつかず混沌としながら強大な力のぶつかり合う一大アクションファンタジー。
1巻当時では到底想像もつかない展開になりましたが、実に見事な幕引きでした。最後の最後まで実に「らしい」終わり方です。このシリーズに関しては、ライトノベルさを体現したようなライトノベル、この破壊的なまでの勢いを熱烈に支持しています。おすすめ。超おすすめ。全7巻一気買いして読んでいただきたい限り。

最後の最後まで、展開の読み切れない大風呂敷の広げ方は健在。それでいて綺麗に大風呂敷をたたむことができたのに感動。こういうのを待ってました!
コメディとシリアスも混然一体となっており、コメディ部分が全く違和感なく作品に溶け込みながらシリアスな要素も展開できているのもまたすばらしい。
最近『誰か今のライトノベル界をどうにかしてくれ。』という話題がありましたが、私はそれに対する一つの理想形・回答がこのシリーズなんじゃないかとまで思います。
このシリーズ、実を言うと私自身が一度読むのを1巻で脱落しています(汗)。「うーん、わりとありそうなメイド萌え系アクション?」とかそんなようなことを思ったような気が。そしてしばらくたって、玲朧月さんとお・り・が・みについて話した際に「どんどんおもしろくなっている」と聞かされ、重い腰を上げて読んでみたところ……なんてこった! 巻を追うごとに、大風呂敷加減がエスカレートしてるじゃないですか! それでいて破綻はしていない。設定やキャラなど、巻を追うごとに魅力を増していきます。私が間違ってました。読むのを再開してほんとによかった……
私はここしばらく、ライトノベルをずっと追いかけているんですが単に整った美麗な文章を読みたければ、何もライトノベルにこだわる必要などないわけで。
それでもこだわり続けているのは、まさにこういう細かい部分をぶっとばすだけのエネルギーを持った作品を読みたいからなのです。というわけで。
とにかく3巻かそこらまでたどりついてください。特に読みにくいわけじゃないので、すぐに読めるはずです。きっと上で連呼している『すさまじいまでの勢い』というのを理解していただけるんじゃないかと思います。

ああこれで終わっちゃったのか……と思っていたら、あとがきによると「ザ・スニーカー」誌上では、主人公などは変わるものの続編が連載中の模様。また楽しませてもらえそうです。

追記。
あとがきに書かれてましたが、8月18日よりインターネットラジオが配信されるとのこと。続報を待て!


この作品の名台詞

「……結局沙穂には、死ぬことの恐ろしさがわからなかったのでありますよ……」
「ですが、死とは……」
「悲しいものなのでありますね――」

→解説


「舐めるな外道」
「鬼。どの口がこのわたくしを家来だなどと抜かした」
「このわたくしを誰だと心得ている! 我ら神殺しが神仏ほど甘いとでも思ったか!! 神殺しとはそれらさえ殺すために生まれた者!! 邪鬼の如きがのぼせ上がるな!! 身の程を知れ!! 畏れ敬え!! そしてその身に刻むがいい!!」
「名護屋河家第四十四代当代、名護屋河睡蓮!! それがお前を滅ぼす者の名だッ――!!」

→解説


「今宵のミズノは血を欲しているの」

→解説


「私がだめだったらそのときは、私じゃない誰かが。もっと素敵な冒険をしてくれるよ」
「魔力って、信じる力なんでしょ? だったら私、信じられるよ。そのためだったら使い果たしてもいいよ。それがね、信じる、ってことだと思うから」

→解説


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トラックバック

http://maijar.jp/?q=trackback/393
from ラノベなPSP on 金曜, 2007/01/26 - 15:46

一気に読んだのでまとめてレビュー。

[http://www.bk1.co.jp/product/2646126/p-holyknight1146 お・り・が・み 光の徒]
[http://www.bk1.co.jp/product/2686848/p-holyknight1146 お・り・が・み 澱の神]

や〜面白か...

from せいぞんきろく on 日曜, 2006/12/03 - 12:21

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from しばいてぃてぃ on 月曜, 2006/11/27 - 21:11

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from Alles ist im Wandel on 土曜, 2006/07/08 - 00:24

いやー、面白かった。 バスタード的インフレをどう解決していくかの興味もあったが、 それぞれがそれぞれの持ち味でクリアしていく様は爽快ですらあった。 広がりまくった大風呂敷も...

from booklines.net on 木曜, 2006/07/06 - 11:02

現在の世界を破壊し、新たな世界の仕組みを作ろうとしているマリーチたち。貴瀬を助けるため、世界を守るため、魔王にして聖女の鈴蘭は、彼女たちを止める決意をした。 だが、戦力...