名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

暴風ガールズファイト

タイトル:暴風ガールズファイト(小説:ファミ通文庫)
作者  :ささはらしお:佐々原史緒
絵師  :倉藤倖
デザイン:?
編集  :?

佐々原さんの新作は、なんとラクロスを題材にしたスポ根。
主人公をはじめとして、自分のチームだけで既に8人登場してますが、いずれも見事にキャラが立っているあたりさすがの一言。
ラクロスへの情熱と、合間合間の適度な息抜きが絶妙ですね。おすすめですええ。

お嬢さま学校に、元気いっぱいの転校生・千果がやってきてラクロス部に入ろうとするのですが、哀れラクロスは同好会に格下げされていて半ば開店休業状態。
しかし、千果はそこであきらめず新生ラクロス部を結成すべく奔走を開始。
そのペースに、優等生で通っている広海も巻き込まれ最初は興味のなかったラクロスに徐々に魅了されていきます。
主人公はクール系で、どっちかというと抑え役なんだけど、でもここぞという時にはやるときゃやる人。
周りから頼りにされるのもわかるなあ。何はともあれ次の巻が楽しみです。

……一番好きなのは雪乃お嬢さまだけどな!


この作品の名台詞

空は高く、ひたすらに青い。
太陽を横切った雲の下、五十嵐が笑う。
少しは「好き」が伝染したんだろうか?
わたしたちは一緒にいけるんだろうか?
この人騒がせな女の指さす、途方もない果ての果てまで。
クロスを担いで、同じユニを纏って――できれば、こうしてずっと笑って。

→解説


一番近くにいるのは、わたしだ。
わたしが取らなかったら、間違いなく場外になり敵側のボールになってしまう。
頭でそう思うよりも速く、体は走り出していた。
血が沸き、肉が踊る。
そんな言葉を実感する。
肺が心臓が血液が、凄まじいスピードで回転して、わたしを走らせようとしてる。
もうとっくの昔に息は上がり、脚の筋肉も悲鳴をあげてる。
こんなことして、何になる?
こころのどこかで、優等生の麻生級長が嗤った。
必死に走って汗だくの泥だらけになって、それでどうする?
たかが一点、取り返せるだけじゃないか。
時間はもうない。それで別にチームが勝つわけじゃない。このみっともない試合内容を取り繕えるわけでもない。なんて、バカバカしい。
そうだ。
その通りだ。
でも。

→解説


「誰かに叶えてもらおうなんて思う時点で、その願い事はもう間違ってるのよ」

→解説


「これはプライドの問題です!
わたくしたち、まとめてあの加賀見にハメられたのですよ? このまま引き下がるのも悔しいじゃありませんの。
目には目と歯を歯には歯と目を、売られた喧嘩は倍返しと主も仰せです」
「えっ、どこの神様が?」
「まあ、級長。あなたともあろう方が。旧約聖書にしっかりと書いてありますわ」
「倍返しの復讐法を肯定するって、それどこの世界の旧約聖書!? それに、近代カトリックにおいて指針とすべきなのは新約聖書で、旧約は参考文献です!」
「で、わたくしのポジションはどこがいいかしら?」
「聞けよ!」

→解説


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