名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

よくわかる現代魔法 たったひとつじゃない冴えたやりかた

タイトル:よくわかる現代魔法 たったひとつじゃない冴えたやりかた(小説:スーパーダッシュ文庫)
作者  :さくらざかひろし:桜坂洋
絵師  :みやしたみき:宮下未紀
デザイン:?
編集  :?

名台詞をふと挙げてみたくなったんですが、まいじゃー方式だと本の紹介データがないことにはどうにもならないので過去作品ですが取り上げました。

コンピュータ的な理論を取り入れたちょっと変わった設定の現代魔法の使い手を巡る物語。
魔法を由緒正しく呪文を紡いで発動させる古式魔法に対する存在として、呪文の詠唱の代わりにコンピュータ言語で記述するコードを使って魔法を発動させるという設定がミソ。
そして、主人公が万能魔法の使い手ではなく、できることと言えば「たらいを空中に召喚すること」だけ。この設定がこんなにも素敵なものだとは1巻読んだ時点ではとてもじゃないけど予測できませんでした。

この物語は、こよみというへっぽこなたらい召喚魔法しか使えない少女の成長物語でもあります。能力自体は弱いんだけど、一旦決めたことは半泣きになりながらでもあきらめない意志の強さ。この描写がいいですね。あくまで弱いままの彼女がすべての人を動かす中心地になっているというのが実にいいです。ああこれぞ青春。
ちょーっと作風的に偏ってますが、1巻では絶対に止めず2巻まで読むか、もしくは2巻から読むのがコツです。まーその1巻単体だと少々アレなんでそこだけ注意してください。


この作品の名台詞

「美鎖さんがあたしを信頼してゴーストスクリプト増幅の役目をくれたの、嬉しかったです。だから、あたしも、ウチの前衛を信じてみようかと」
「それって、聡史郎?」
「違います。ドジでグズでバカで泣き虫で使えるのはたらい召喚コードだけで普段はどうしょうもないお荷物だけど、いつも、どうにもならないところから一本だけ残ったタイトロープをぐずぐず泣きながら渡る不思議な力がある子です。美鎖さんも、だから、自分の一番弟子を信じてみませんか?」

→解説


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