名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

アンゲルゼ―ひびわれた世界と少年の恋 (コバルト文庫)

タイトル:アンゲルゼ―ひびわれた世界と少年の恋 (コバルト文庫)(小説:コバルト文庫)
作者  :すがしのぶ:須賀しのぶ
絵師  :こまだきぬ:駒田絹
デザイン:?
編集  :?

やっぱり、右肩あがり。
1巻から「おもしろい」「すごい」を連発してきましたが、息切れするどころかさらに伸びていきます。
今より少しだけ未来の日本で、アンゲルゼと呼ばれる”天使”との戦いを繰り広げている人類。
軍事教練などが行われてはいるものの、後方にあって直接戦争とは関係ない日々を送っていたはずの普通の高校生の少女・陽菜が、徐々に救いのない戦いの最前線に立つ羽目になっていきます。

がんばって前に進むたびに、救われない事実が、じわり、じわりとひとつずつ明らかになっていくこの絶妙の展開から目が離せません!

私がまだ最後の結末に辿り着いてないこともあって、ネタバレは自粛して紹介中。
これ、もはや何がどうあっても大団円という結末にはなり得ないことがいろいろな描写からわかってしまうわけですが、それでもどういう幕引きを見せてくれるのかは全く読めませんね……
単なる鬱展開とは違う、この展開の妙はさすが須賀さんと言うべきでしょう。

ああっ、返す返すもこの作品をリアルタイムで読んでおかなかった自分を説教してやりたい。


この作品の名台詞

「君はどうやら恥ずべきことだと思っているようだがね、誰かを守りたいと思うのは、なにより大きな支えとなる。守る対象は国でも思想でも信念でもいいが、やはりベストは人間だ」
「いつか、自分の中で諸々なことが崩れ去ったときに、最後に残るのは、誰かを思う気持ちだ。だから君は、その想いをなにより大切にするといい。それと」
「どんなに願っても、今の君には何もできない。それが、よくわかっただろう?」
「その悔しさも、よく覚えておくといい。無力を憎め。それは君の、一番の原動力になる」

→解説


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