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ヴィークルエンド

タイトル:ヴィークルエンド(小説:電撃文庫)
作者  :うえおひさみつ:うえお久光
絵師  :redjuice
デザイン:?
編集  :?

まずアクションとして燃える!
さらにサプリと銘打っていろいろ理屈がついてますが、ドラッグを服用するという思い切った設定にも燃える!

サプリを用いて、自らの身体を一個の乗り物として知覚する者をヴィークルライダーという。
そんな者達が速さを競う「ヴィークルレース」に青春を捧げる若者達のアクションストーリー。
青春とは迷わず突き進むもの! 黒枠おすすめで。
いやはや、今月の電撃文庫はあたり続出です。

ある時から、生まれてくる子供すべてが先天的な欠陥を持ち、「サプリ」と呼ばれる補助剤を使わなければ感情の制御ができなくなってしまった近未来。
ヴィークルレースで一旗揚げようとしている少年・羽鳥は、レースの直後に一人の不思議な少女と出会う。その出会いが羽鳥の未来を大きく左右することになる……。

なんといってもサプリですよ、サプリ!
なにしろサプリによって特別な知覚を得るとか、感情を制御できるようになるなどの設定こそあるものの、作中ではっきりとかつてドラッグと呼ばれていたものと明言してますからね! この設定によって、物語の深みが出ているんですがよくこれ通ったなあとちょっとびっくり。ドラッグ使うのが設定の根幹になってるラノベなんて「Dクラッカーズ」以外あり得ないと思ってましたよ!

でも、そんなサプリの表層だけに惑わされてはいけません。
実際のレースは、いくらサプリを使うとはいえ己の肉体のみを駆使する原始的なレース。冒頭読んでる時はてっきりカーレースかなにかだと思っていたんで、実体を知って一気に臨場感が高まりました。危険なチャレンジにしても、緊張感が半端ない!
そんなレースを通じながら、羽鳥をはじめとした若者達が織りなす青春がこの上なく魅力的に描かれています。

これ、正直作品の魅力のろくに伝えきれてません。サプリによる知覚の変化、これはぜひ作品を読んで体感してください。


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from monumenta librorum on 金曜, 2010/09/24 - 00:53

超能力を持つ子供たちが、補助剤によって、自分自身を乗り物のように近くさせて、レースを行う話。何というか、分かりにくいのだが、一種のレース物である。青春物的でもあるが、登...