名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

ジャストボイルド・オ’クロック

タイトル:ジャストボイルド・オ’クロック(小説:電撃文庫)
作者  :うえおひさみつ:うえお久光
絵師  :藤田香
デザイン:?
編集  :?

序盤、ちょっとクセのある文体に慣れる&設定を掴むまでが読みにくかったりしますが、間違ってもそこで止めたりしないように。
期待を裏切らないおもしろさでした。すっごい気に入った。おすすめ!

一度人類が破滅の危機に直面した後の未来。人類は脳に「珪素脳」を持ち、「家電」と共成しています。この辺の設定が最初ピンと来にくいかもしれませんが、序盤さえじっくり読むつもりになれば自然と頭に入るようになっているので安心してください。
とある事件によりヒーローを辞め、今は売れない探偵業を営むジュードとその相棒・目覚ましの家電の黒猫アル。普段はお気楽、けれどもやるときゃやる! そんな二人を中心としたSF探偵アクションです。バカバカしい掛け合いから、シリアスまで網羅しております。ヒーローという職業が実際にあったり、その辺の設定もかなりツボでした。
なお、ハードボイルドではなくジャストボイルドっていう売り文句になってますが、十二分にハードボイルドしててかっこいいです。


この作品の名台詞

「……ヒーローなんて、存在しない」
「え?」
「そう、ヒーローなんて存在しない。あたしたちは、結局企業の広告塔。垂れ幕のついたアドバルーンに過ぎなくて、そこに正義なんて、本当のヒーローなんて存在しない――あたしはずっと、そう思っていました」
「……」
「でも、ある先輩が言ってくれたんです。別にそれでいいじゃないかって。思考が暗くなっちゃうのなら、逆に考えてみればいい。ヒーローが客寄せパンダなんかじゃなく、客寄せパンダでもヒーローになれるんだって。それがいいものであるなら、それで喜んでくれるなら、建前とか本当とかじゃなく、それでだれかが笑ってくれるなら、それはきっとすてきなことだって――あたしにそれを教えてくれた、その人こそ、あたしにとって本物のヒーロー、正義の味方、なんです」

→解説


「待って待って! あたし怪しい者じゃないんです!」
「あっ・あー。そうだろうとも。襲撃に失敗したやつはみんなそういう。そして次にこういいだす。間違えました! 勘違いをしてました! 残念だったな。おまえの一番の間違いはこの世に生まれてきたことだ」
「やったじゃん! いいたがってたそのせりふ、ついに使うことができて!」

→解説


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