名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

ベン・トー 2

タイトル:ベン・トー 2(小説:スーパーダッシュ文庫)
作者  :あさうら:アサウラ
絵師  :柴乃櫂人
デザイン:?
編集  :?

1巻も2巻もやることは一貫して、半額弁当の争奪戦、ひたすらそれだけです。
これがもう熱い! 無駄なくらいに熱い! ぶっちゃけアクションシーンはそこらの半端なバトルものを遙かに凌駕しています。

イロモノと敬遠せず、ともかく読むしか!

なんといってもこの作品が際だつのは、半額シールが貼られた後の半額弁当争奪シーンでしょう。
ライバルには決して弁当を取らせないように、伸びてくる手を打ち払い自らはなんとしてもお目当ての弁当をゲットせんとする。
足払い、跳び蹴り、果てはカゴやカートまで持ち出しての大乱闘!
まあこの辺が有り得ないと言えば有り得ない訳ですが、描写力がそういう野暮なツッコミを考えさせません。
それと、ゲットしたお弁当を食べるシーンが実に食欲をそそられます。
2巻では従姉妹が登場したことでラブコメ的な要素もアップし、さらには腐女子の白粉の暴走ぶりも健在。
残念なのは、今のところ槍水先輩には全くラブフラグが立ちそうにないことですが、むしろあのクールさがいいのかもしれないという気がしてきた。
ともかく見どころは山ほど。さあまだ買ってない人は書店に走れ!

余録。
どうやらアサウラ先生はセガ信者であり、ニコ厨でもあるようです。
ガーヒーとか、イ゙ェアアアアとかもう、ね。わかるということは私も同罪なわけですがまあ気にしない方向で。


この作品の名台詞

わかる、わかっている。名も知らぬ一匹の狼よ。三割引の段階であるにも拘わらず弁当の前に立ってしまう気持ちはわかる。このまま半額にならないのだったら、ならばいっそ……。そういう気持ちは痛いほどにわかる。そして恐らく相当に腹が減っているのだろう。三割引弁当の前に立ってしまいたくなるくらいに、減っているのだろう。だが……だが、よく考えろ!
僕たちは何故ここにいるのか、何故数百円安くなった弁当のために命を懸けて戦うのか……今一度思い出すんだ。君にだってわかっているはずだ。
半額弁当は在庫処分扱いの弁当じゃない。半額弁当とは、敵を押しのけ、自らの手で勝ち獲って初めて加えられる勝利の一味が入った至高の料理にして、神の恵みだ。この、自らを試し、生き様を刻む場、大規模小売店にだけ存在する極めて稀少で価値ある存在……それを求めて君は、僕たちは、強敵の集うこの場にいるんじゃないのか――

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