名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

断章のグリムXVII 白雪姫・下

タイトル:断章のグリムXVII 白雪姫・下(小説:電撃文庫)
作者  :こうだがくと:甲田学人
絵師  :三日月かける
デザイン:?
編集  :?

最終巻にふさわしく、圧倒されました(もちろんホラー的に)
他の作者には決して真似のできないこの物語の終幕、実に感慨深いですね。

眠り続ける神の悪夢のかけらが、人間の世界に浮かび上がり「泡禍」という形で害をなし、その悪夢に遭いながらも生き延びている人間が互助会組織を作り、「泡禍」を解決していく物語。
設定だけなら伝奇ファンタジーっぽいですが、これは紛れもないホラー。夜中に読むと背中にぞぞっときますよ?

そんな物語もついに終幕。
というわけで、長期シリーズ完結恒例ネタバレ全開感想いきます。まだ全部読んでない人は注意。

さて。

では。

雪乃さんが生き残ってくれたああああああ!!
ほんと、よかった。まじでよかった……ジャンルがホラーだしこの作者に限ってはたとえ主人公が退場しても何らおかしくはないので、本気で心配してましたが、無事どころか最後になんというデレっぷり!
世間のわかりやすく豹変するツンデレなど雪の女王の前ではただの雑兵にすぎませんね。ラストシーンは読んでてじーんときましたよ。で、決め台詞である「……殺すわよ!」をいただいたのも大きいですええ。

神狩屋は想像以上にやばかったなあ。まさか一般人まで手にかけていたとは。でも納得できる部分もあります。不死なんてそうそういいことないんですよ人間の身にはね。

それにしてもこのシリーズの容赦なさに訓練されすぎて、むしろあまり死ななかったなあ、などと不届きなことを考えてしまったり。全滅エンドすら想像してましたしね!

ああ、あとこれだけは触れておかなくては。
途中で役に立たない死体処理係さんの断章の暴発で、アレが「はりはりはりはり」としてるシーンはやばかったです。
だって大量のアレが……はりはりはりはり、ですよ!?
もし映像化されたら放送禁止レベルだろうけど、見てみたいかも。後で後悔すると思うけど。

ともあれ、作者様お疲れ様でした!
また素敵なホラーを読ませてください。期待してます!


シリーズ一覧


作品一覧


トラックバック

http://maijar.jp/?q=trackback/6186