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とらドラ! 6

タイトル: とらドラ! 6(小説:電撃文庫)
作者  :たけみやゆゆこ:竹宮ゆゆこ
絵師  :ヤス
デザイン:?
編集  :?

いいから読め。

青春小説と一口に言ってもいろいろなタイプがあるので単純比較はできませんが、暴走型の青春小説としてはここ数年……いや、私が今まで読んだ中でベストワンの称号を贈ります。
なりは小さいけど、学園一怖れられる凶暴女「手乗りタイガー」こと逢坂大河と、中身はかなり生真面目でまっすぐなのに凶悪すぎる目つきでやっぱり怖れられている高須竜児を中心とした青春小説。あえてラブコメとは言いません。
シリーズ未読の方は、「6+1巻もある」とか「表紙がちょっと……」などとよけいなことは言わずに、即入手して読破してください。おお、ちょうどいい具合に正月も控えてますし、一気読みにはいい機会ですよ?
無茶な行動に走りがちな青春時代の強烈パワー、どんなに無敵に見えても中身は繊細で実はボロボロ、完璧超人などいない、恋愛が絡むと人間強くも弱くもなる事、そしてそれらすべての要素をおそるべき疾走感のある描写が支えています。

今回はいつにも増してまっとうな?青春小説としての要素が高いですね。
竜児たちの親友にして、次期生徒会長と目されていた北村のご乱心で起こる騒動です。
もうラブコメという枠でくくってしまってはもったいないくらいの直球な青臭さです。それにしても各所の文章表現がやっぱり良すぎ……この疾走感は竹宮ゆゆこ節と言っていいんじゃないでしょうか。あー惚れる。

ここに来て、徐々に「誰が誰を好きなのか」という、物語の重要な部分が見えてきつつあります。
この物語のおもしろさの一つとして、「誰よりも長く日常を接しているにも関わらず、その人の事が一番好きではない」のがありますね。この構図があるために、ラブコメの部分が完全な予定調和を崩して、先が気になって仕方がなくなるのです。

……で、次の巻はまだー?>すっかり禁断症状。


この作品の名台詞

「踏み出したい一歩があるんだろ!? あるから迷うんだろ!? そんなもんがねえ奴は、そもそも行こうかどうしようかなんて迷わねえよ! 行きたい方向が、その先が見えてるからビビるんだ! それはてめえが一番わかってんだろうが! とっくに、てめえの腹は決まってるんだよ! とにかく下ろしゃいいんだ! それ以外に、なにがあるんだよ!!」
――行け!
行け! 行け! 行け! 進め、行け、走れ!
北村祐作の道を、とっとと、行け!
こんなところで立ち止まるな!
行け!

→解説


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from まんざらでもない on 月曜, 2007/12/17 - 23:01

「私だって・・・バカに・・・なりたい・・・・っ!でも・・・――」

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