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カンピオーネ! 神はまつろわず

タイトル:カンピオーネ! 神はまつろわず(小説:スーパーダッシュ文庫)
作者  :たけつきじょう:丈月城
絵師  :シコルスキー
デザイン:?
編集  :?

新人さんの作品です。
あとがきに書かれている作者の人自身による説明が作品の雰囲気を簡潔に表しているのでそのまま引用すると、
『超必殺技「しか」持たない主人公が、途中のレベル上げ行程をすっとばして大ボス(神様)と戦う物語』です。
雑魚と戦う過程はナシ! なにせ神殺しだし強いのは当たり前!……という発想かどうかは知りませんが、これはいい意味で思い切りましたね。
少年漫画的なアクションが好きならおすすめ。
とある魔術の禁書目録のファン層は、けっこう高い確率で好みが合うんじゃないかと思われます。

あ、ちなみにお約束ですが剣持ってても表紙の女の子は一応ヒロインですからね? 激強いけど。

神を殺し、神の権能を得た者、カンピオーネ。
過去の経緯から本人には特筆すべきセンスが備わっているわけではないけれど、神殺しとなり軍神ウルスラグナの権能を有する普通じゃない高一少年・草薙護堂。
本人は戦うことに乗り気ではないのですが、自称護堂の愛人で、《赤道黒十字》の魔術師・エリカにあっさりと言いくるめられて、神と戦うようにし向けられます。
非常に歪で扱いづらい強さを持った「神殺し」が、異邦の神と戦う話。
例によって細かい背景はめんどくさいのですっ飛ばします。

中心はバトル。
そして、非常に積極的に護堂に迫るエリカの存在感の大きいこと大きいこと。影の主役といっても過言ではない?
神とのバトル、そしてエリカ、巫女である祐理のラブコメバトルもひっくるめて楽しかったです。
戦いそのものに燃えるのはもちろんなんだけど、神の素性を暴いていく過程がまたいいのですええ。

これはぜひ続きを読みたいですね。


この作品の名台詞

「……なあ、文明人と野蛮人の差は、どれだけ文化的な体裁を取りつくろえるかにあると思うんだ。おまえも頼むから、刃物抜いたりケンカ売ったりする回数を減らすよう努力してくれないか? つき合う方はいい迷惑なんだぞ、ほんと」
「またそれ? いいじゃない。初めは嫌がっても、すぐに本気で戦うようになるでしょ、護堂の場合。本当はこういうのが好きなくせに、もっと素直になりなさいよ。
「わたしたちは王と騎士。激しく美しき戦いを演じる義務があるわ。ふたりで育んできた愛にかけて、この決闘をすばらしいものに仕上げましょうね」
「俺の常識じゃ、愛を育んだふたりは命の取り合いなんかしたりしない。自分たちだけの常識を押しつけないでくれ!」

→解説


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