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さくら荘のペットな彼女 2

タイトル:さくら荘のペットな彼女 2(小説:電撃文庫)
作者  :かもしだはじめ:鴨志田一
絵師  :溝口ケージ
デザイン:?
編集  :?

能力はあっても度外れた変人ばかりの集ういわくつきの学生寮・さくら荘。
とある事情でそこの寮住まいを余儀なくされている少年・空太が、新たな寮の住人で一見清楚に見える少女椎名ましろをはじめとして、いいように振り回されてしまう(でもツッコミだけは忘れない)青春コメディ。
もちろんラブコメとしての側面もありますが、青春模様もしくは疑似家族ものとしておすすめ。

今回、超人の方ではなく凡人サイドの完膚無きまでの挫折をきっちり描写したことで、一段階このシリーズに対する評価があがりました。

変人たちのツッコミきれない奇行と、でもめげずに毎回突っ込んでしまう空太の気持ちのいい会話劇は前回から引き続きですが、今回さくら荘にニューフェイス(といってもキャラ自体は1巻で登場してますが)の真面目少女・青山七海が引っ越して来る新展開。
でまあ詳しい経緯などはスルーしますが、あえて今回のテーマをいうなら挫折。こういうの、コメディチックなストーリーだとなかなか入らないので貴重です。世の中、そうそう思い通りになんでも事が運ぶなんてことはありえないわけで、真剣勝負をやっていたらいつか絶対につまづく時がやってきます。
問題はその先。

つまづいた後、どうやって起き上がるのか。
こういう話を読めて非常に良かったと思います。次も楽しみだ!


この作品の名台詞

「なあ、青山」
「なに?」
「本気になるってのは、やばいな」
「うん、そうだね」
「後悔とか、悔しいとか、そういうのから、逃げも隠れもできねえよ」
「でも、私は目標持って生きている人が好き。一生懸命な人が好き……」

→解説


「俺、思うんだよ。そりゃ、どんなこともひとりでぱっぱと片付けられたら、かっこいいし、そういうのが大人になるひとつの方法なのかもしれないけどさ。得意とか苦手とかあるし、ヒマだったり、忙しかったりは人それぞれ違うんだから、そういうのを認めて、さくら荘全体がいい感じに回るところを見つけて、うまいことやっていけばいいんじゃないかって」
「…………」
「一緒にいるんだから、大変なときは頼れよ。じゃないと、なんか、俺は寂しいよ」

→解説


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from お亀納豆のライトノベルまっしぐら on 土曜, 2010/08/21 - 12:59

著:鴨志田 一 イラスト:溝口 ケージ 「前から、青山のこと、いいなって思ってたんだ」 「ほ、ほんとに?」 「ああ。ぜひとも、ツッコミ要員として、さくら荘にほしいと思ってた」 ...