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剣の女王と烙印の仔III

タイトル:剣の女王と烙印の仔III(小説:MF文庫J)
作者  :すぎいひかる:杉井光
絵師  :夕仁
デザイン:?
編集  :?

こと3巻に関しては、聖女とも呼ばれるザカリアの指揮官・フランチェスカの独壇場だとあえて断言しましょう!
自らの陣営が生き延びるためには、どんな卑怯な手段でも厭わない徹底した現実主義の王(指揮官)というのは、実はものすごくレアなキャラかもしれません。
それを読むだけでも十二分な価値があると思います。

《星喰らい》と呼ばれ、敵は愚か、災厄を運ぶとして味方にも恐れられる傭兵の少年・クリスは、戦場で大剣を振るい《塩撒き》と恐れられる少女・ミネルヴァと運命の出会いをする。ミネルヴァの確実な未来視さえもねじ曲げ、ミネルヴァの死さえも喰らうというクリスの力はどこから来るものなのか……クリスの戦う先には屍しか生まれないのか。
剣と魔法のファンタジー。

今回は、フランチェスカに焦点をあてて紹介します。
普通って王の立場にあるものは、特にラノベの場合は理想主義者であることがほとんどなんですよね。
どろを被るのは参謀の役目。どっちかというと参謀の立てた卑怯な作戦を否定して、綺麗事をいう立場にいます。
もしくは卑怯な作戦を最終的に肯定したとしても、あくまでも一番悪いのはそんな作戦を立案した参謀、というパターンですね。

ですがこのシリーズでは、もっとも効果的だけど味方を見殺しにしたり巻き込んだりするかなり悪辣な作戦を、指揮官であるフランチェスカ自らが立案し、命令します。責任だけをとるのではなく、根本から道義的にはほめられない作戦を立案してるのはかなりの希少価値でしょう。
その一連のシーンを見て、私個人のフランチェスカ株がものすごい勢いで上昇しましたよ!


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