名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

羽月莉音の帝国 10

タイトル:羽月莉音の帝国 10(小説:ガガガ文庫)
作者  :しどうりゅうせい:至道流星
絵師  :にのぜん:二ノ膳
デザイン:?
編集  :?

本気で革命をするために、まずは資金を稼ぐ!
資本金100万円からはじめて、ネット販売、企業買収、市場操作などなどを行いとほうもない資金を捻出、やがては革命をぶちあげるという、荒唐無稽でありながらも、その手法自体は非常にリアルで、経済小説の要素を持ちながらも本質はエンタメという希有なシリーズがついに完結しました。

感無量。
最後まで息を抜けない、そして着地点が読めない展開でしたが……終わりましたねえ。これは間違いなくラノベ史に名を刻む傑作でした。

さて以下はネタバレ雑感に移行します。

シリーズ開始当初、大言壮語を吐くだけで、何の役にも立たない恒太が、まさか「人類の敵」とまで呼ばれる存在になろうとは、誰一人予想できなかったのではないでしょうか。

柚さんは、最後までいつも通りでしたねえ。ギャラクシードリンク飲んでもなんともないとは、実は強靱な内蔵なんでしょうか。あの笑顔には癒やされます……

おりおりは、後半はパワーダウンしたところもあるものの、健気というかきっと死ぬまで巳継のことを想い続けるのでしょう。

巳継は……あのまま、どちらか一人に絞ることは出来ないまま二人とつきあい続けるような。巳継も修羅場を何度も渡って、おそろしく精神的に大きくなりましたよね。

莉音は、なんだかんだで恒太にはかなり助けられてるような。構想は間違いなく最良でも、自分の甘さに足を引っ張られるところがあるんで、あれくらう強引な看板がいてよかったんじゃないでしょうか。ラストの場面をみるかぎり、時々ローザのもとにふらっと現れては、味方だったり敵だったりというやりとりをしていくのでしょう。

もうね、莉音の最後の笑顔が最高でした!
すばらしい物語をありがとう!


シリーズ一覧


作品一覧


トラックバック

http://maijar.jp/?q=trackback/6010