名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

神様のメモ帳 6

タイトル:神様のメモ帳 6(小説:電撃文庫)
作者  :すぎいひかる:杉井光
絵師  :岸田メル
デザイン:?
編集  :?

ヒロさん、ついにジゴロ稼業を卒業か!?

ちと読むのが遅れてしまったけど、今回もいい話でした。
いやー、まさかあのヒロさんがねえ。人は見かけによらないというか、むしろ女たらしだからこそそこに着地したというか。
謎だったミンさんについていろいろ明らかになったりアリスのコスプレが見られたり(笑)、見どころはいろいろ。

ま、本編については余計な事は言わぬが華というものでしょう。
ヒロさんもあそこまで必死になる事ができたんですねえ。クライマックスに至る過程には参ったね!
それにしても毎巻のこととはいえ(というか杉井作品すべてに共通するといっても過言ではないと思いますが)、アリスがテンパった時にあわあわしてるシーンは、いちいちかわいすぎる!
あと、短編のナルミやばいですねー。もしや、ほんとにそっちの職業についてしまうんでしょうか。アリスが引き取ってあげないとやばいかもよ?


この作品の名台詞

「ワトスン」
「……え? あ、僕?」
「ジョン・H・ワトスンは、医者で、作家だった。知っているね」
「知ってるけど」
「一方、シャーロック・ホームズは探偵だった。探偵以外の何者でもなかった」
「ホームズはその生涯で二度だけ、自分で小説を書こうと試みたことがある。そうして彼はこう嘆いている。”I miss my Watson.”――ワトスンがいないとつらい、彼が質問したり驚いたりしてくれないと、うまく自分の考えを語ることができない、とね」
「探偵というのは、世界に対して、読者でしかいられないものなんだ。この世界の複雑さを受け入れ、その通りに読み取り、より分け、咀嚼し、帰納するしかない。でも」
「作家は、ちがう。ぼくはある作家の執筆方法に関するコラムを読んだ事がある。彼はこう書いていた。ラストシーンから、時間の流れとは逆に小説を書くことだってできる――むしろそれが物語の作り方としては正しい、と。わかるかい。作家は世界を演繹できるんだ」
「ぼくにはできない。きみにしかできない」
「おやすみ、ぼくのワトスン」

→解説


シリーズ一覧


作品一覧


トラックバック

http://maijar.jp/?q=trackback/5177