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オイレンシュピーゲル 参

タイトル:オイレンシュピーゲル 参(小説:スニーカー文庫)
作者  :うぶかたとう:冲方丁
絵師  :白亜右月
デザイン:?
編集  :?

なんか、ラブラブ時空が発生してますっ!!
基本的に熱いぜ熱いぜ熱くて死ぬぜ!というアクションはそのままなんですが、この3巻は至るところで恋に華が咲いてます。
特に陽炎の中隊長への一途な献身っぷりと、たぶん全然意識はしてないだろうけど陽炎のことは憎からず思っているであろうミハエル中隊長がいい漢ぶりに惚れました。
いやーやっぱりこのやっぱりこのシリーズは最高。
国際都市ミリオポリスの治安を守るために導入された、体を機械化された特甲児童たちの戦いを描いたSFです。

燃えるアクションはもちろんなんですが、なにげに文中に散りばめられた小ネタの数々や皮肉が生かしてますね。
「死ぬまでに一度流行ってみたいことが、核ミサイルの発射ボタンを16連射してみる」とか、思わずニヤリですよ。

3巻になって、スプライトシュピーゲルとの物語のリンクも一層深くなってきているので、オイレンとスプライトの3巻は続きで読むことを推奨します。
ていうか続きで読みなさい悪いことは言わないから。
各特甲児童の持つ負の部分である、「なぜ特甲児童になったのか?」という過去について踏み込んで語られます。

余録。
3巻読み終えた時点で、スプライトよりもオイレン~の方がお気に入り度が高くなりましたね。
まあどうせ両方読むんだから関係ないと言えばそうなんですが。


この作品の名台詞

この世は不平等だ。神様に愛されるのを待っていたら、運命や都市の仕組みや同じ境遇の人間同士が醸し出す殺伐とした気分といった、ろくでもないものに殺されるしかない。
悲観することからも悔しがることからも脱出しなければ、生きているだけ運が良いと思わなければ、「幸せになりたい」と思うたび苦しくなる心に負けてしまう。
生きろ――生きろ――生きろ。
いつしか、お定まりの言葉を並べ立てる自分の口を無視して、その眼差しで、一人一人に訴えかけていた。運命に、都市に、隣人に、自分に、愛されなかった事実に――殺されるな――生きろ――諦めるな。何かを見つけてしがみついて生き抜け。
希望があるから生きるんじゃない。
生きていることが最後の希望なんだ。

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from いつも感想中 on 日曜, 2007/11/11 - 16:00

オイレンシュピーゲル 3 (3) (角川スニーカー文庫 200-3) 作者: 冲方丁 出版社/メーカー: 角川書店 発売日: 2007/11/01 メディア: 文庫 ストーリー 巨大国際都市ミリオポリス。人口二千五百万人...