名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

ばいばい、アース 2

タイトル:ばいばい、アース 2(小説:ハヤカワ文庫JA)
作者  :うぶかたとう:冲方丁
絵師  :?
デザイン:?
編集  :?

世界でただ一人、何の種族的特徴も持たない「のっぺらぼう」として生まれた少女ラブラック・ベルが、自らが生まれた理由を問うハイ・ファンタジー。
単にキャラ小説として読もうと思うと、文章が重く感じるかもしれませんが、圧倒的な世界観、それぞれの登場人物が背負う重い感情を持っており、文章そのものに酔いしれたい人にはぜひぜひ読んで欲しいシリーズです。
大剣と少女という組み合わせにピンと来た方にもおすすめ。

「理由(ことわり)の少女」と呼ばれ、この世界そのものを変革する可能性を秘めているとされる彼女の、心身共の戦いの日々を綴ります。
1巻では剣劇が圧倒的なボリュームを持っていましたが、2巻では剣劇はむろんありますが、内面的な葛藤により多くのページが割かれていますね。
戦いでは無敵を誇るベルも、戦場を一歩離れればどんなに自然体に見えても、やっぱり悩める一人の少女であり、「のっぺらぼう」としての孤独を抱えているのです……。


この作品の名台詞

「この<現存>(ナウヒア)この、旅への刻印の名だ。神の法外に自らを追放し、大いなる呪いを身に帯び、いつかその呪いが祝福へと転じることを信じる他すべのないまま、いかなる場所にいようとも、ただ今ここ、という独りきりの在り方を自らに課す刻印なのだ――」
「世界を穿孔せよ――
適所(ピッチ)を外れて、唸りを上げるんだ……そのとき、世界に私という名の孔が開く。世界に私の名のかたちをした刻印が刻まれる。私という存在が、真に花を咲かせる――これは、私の剣が、私に教えてくれたことなんだ。ああ、つまり……その、あなたの言うことは、それとすごくよく似てると思う、ローハイド王」

→解説


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