名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

オイレンシュピーゲル肆 WagTheDog

タイトル:オイレンシュピーゲル肆 WagTheDog(小説:スニーカー文庫)
作者  :うぶかたとう:冲方丁
絵師  :白亜右月
デザイン:?
編集  :?

身体に欠損のある児童の中から特に適性のある者を選び、強大な武器を自分の第二の手足のごとく操り街の治安を護るために戦う「特甲児童」の少女達の活躍を描いたSFアクション。
スプライトシュピーゲルと同一の世界観、同一の時間軸で平行した物語が語られるシリーズです。
燃えます。すごく燃えます。
4巻は、2つの作品がかなり密接にリンクしていることもあって、可能であれば2作品の4巻同士は一気読みを推奨します。

冲方丁ならではの独特な記述で書かれたスピード感溢れる文体は、一番最初に触れた時こそ読みにくさを感じるかも知れませんが、慣れさえすればむしろ快感。
膨大な情報量がありながらも、テンポを失うことなく一気に畳みかけてきます。

さて、4巻におけるスプライトシュピーゲルとの比較ですが……
スプライトシュピーゲルの方が今回の事件の本質に近い分、要人などもあちらに集中しており緊迫度は向こうの方が上。
その代わり、こちらは各キャラの掘り下げがかなり深くなってます。
中でも涼月はかなり力を入れて書かれていて、正直今回の一件で惚れました(笑) いやーほんとに熱い性格!!

それから今回、作品同士の密接なリンクを果たした役目として涼月と鳳のやりとりは超重要なんですが、両作品読むとすごいおもしろいですね。
お互い、会話している時にどう思ってそんな発言をしたのかとかが手に取るようにわかる。
あれですね、二人とも実に「かわいい」(笑)


この作品の名台詞

「尻尾が犬を振る、だ。お前の都市、お前の国を守れ、戦いの犬(ウォー・ドッグ)」

→解説


「別に……
なんにもねーんだよ……あたしには、人に胸張って説明できることなんて……
ちくしょうッ、どうしたら消せるってんだ。あんたの言う、臭い劣等感ってやつをッ」
「自分のふがいなさを他人のせいにするな。人生はこんなものだと決めつけるな。心に抱いたものを信じて前へ進み続けろ。どれほどの挫折の中でも――真っ直ぐ前へ。お前が誰よりも胸を張って自慢できる、その大人顔負けのガッツがあれば可能なことだ」

→解説


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