名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

過去ログ

07/03/06 - の記事

スイートホームスイート4 世界で一番すてきな遺産

タイトル:スイートホームスイート4 世界で一番すてきな遺産(小説:ファミ通文庫)
作者  :ささはらしお:佐々原史緒
絵師  :カヅキレン
デザイン:?
編集  :?

平凡な高校生の一彦。会ったこともない曾祖父が、実はヨーロッパの小国の大領主だとわかり、遺産継承権第二位を指名して他界。
その日からなしくずしに一彦は、レーゲンシュヴァンツの城で苦労の多い生活を余儀なくされるが、その上お城には「人ではないもの」が当たり前のようにいっぱいいたりして……。
という、コミカル系日常ファンタジー完結編。きれいにまとまりました。
うーん、いつもながらお見事! 笑いやしんみり考えさせる部分が絶妙なバランスで成り立ってます。

07/03/05 - の記事

本日の名台詞

「でも、悋気に狂うあなたというのも見てみたかったわ」
「…………あと五百年も生きれば、お目に掛けられるかもしれません」


タイトル:ダークエルフの口づけ 2(小説:富士見ファンタジア文庫)
作者  :かわひとただあき:川人忠明
絵師  :椎名優
デザイン:?
編集  :?
キャラ :ラミア&ベラ (310 P)



 ▼本日の作品&台詞解説▼

ファンタジーなんてただの飾りです、と言ったら言いすぎになるかもしれませんが、誰が誰をだましそしてだまされているのか、笑顔の裏には何が隠れているのか、そういう緊迫感がたまらないミステリ風な作りでしかもダークエルフ主役という珍しい物語。
楚々とした笑顔でもてなす傍でお互い相手を陥れようとしあいつつもでも相手のことは認めている、高度なやり取りをお楽しみください。

さてそれでは台詞解説。
ベラな極めて沈着冷静なエルフで、必要なこと以外は口にせず、笑顔も滅多に見せることのない性格なんですが、(決して口にはしないけれど)とある人物のことは気に掛けている節があります。それを揶揄してみたら意外な答えが返ってきた……という構図ですね。実際に物語を読んでみたらわかりますが、あのベラが冗談を!というだけで大きな驚きです。また寿命の長いエルフならではの台詞になっているのがまたよし。

鬼切り夜鳥子2 京都ミステリーツアー

タイトル:鬼切り夜鳥子2 京都ミステリーツアー(小説:ファミ通文庫)
作者  :ますだしょうじ:枡田省治
絵師  :佐嶋真実
デザイン:?
編集  :?

伝奇ものには程よいエロスも必要、なのかどうかはわかりませんがちょいエロ成分(ただし後ろ暗さのない健康的なもの)も装備した退魔もの。
舞台そのものは京都なんですが、時代は現代なのに加え和風伝奇を読む際に感じることがある文体での敷居の高さがないのでそういう点では安心して楽しめます。
少女に憑いた強力な鬼切りが魔物を退治し、幼馴染みや友人がそれをサポートしていきます。
退魔ものとしては極めてオーソドックスで、展開などはわりと普通なんですが、脇を固める部分が楽しめると一気に作品の評価があがります。

ストライクウィッチーズ 2ノ巻

タイトル:ストライクウィッチーズ 2ノ巻(小説:スニーカー文庫)
作者  :やまぐちのぼる:ヤマグチノボル
絵師  :島田フミカネ
デザイン:?
編集  :?

飛行脚を装備した魔女たちが、正体不明の人類共通の敵ネウロスと戦いを繰り広げる航空アクション。
多メディア展開されていてアニメにもなってます。メディアによって戦線が違うらしく、小説版に出てくるのは基本的に小説版独自のキャラみたいですね。(共通して出てくるキャラもいるかもしれませんが……詳細は不明)
参考:ストライクウウィッチーズ公式サイト

07/03/04 - の記事

ラビオリ・ウエスタン

タイトル:ラビオリ・ウエスタン(小説:ファミ通文庫)
作者  :もりはしびんご:森橋ビンゴ
絵師  :芥川明
デザイン:?
編集  :?

両親が事業に失敗して、二人一緒にある日前触れもなく自殺。
それまでわりと何不自由ない暮らしをしていた女の子は、親の借金を返すためになしくずしにさせられてしまった職業は殺し屋。
かくて少女の殺し屋稼業がはじまるのですが……。
一人称形式で怒濤のように出来事が綴られていくのですが、あっけらかんとしているというのか、殺しに伴う重さがまるでありません。お仕事だから殺しちゃったよ、ッて感じの軽さです。
うーん緊迫感無いなあ、とか思ってたら……ははは、やっぱりそれじゃ終わらなかったよ参ったねこりゃ。

ざざーっと流れていく一人称の文体そのものをセットとして、一読の価値はあります。ただし、ハッピー全開なコメディを期待している人はやめといた方が無難かも。

超妹大戦シスマゲドン2

タイトル:超妹大戦シスマゲドン2(小説:ファミ通文庫)
作者  :ふるはしひでゆき:古橋秀之
絵師  :内藤隆
デザイン:?
編集  :?

いろんな妹が出てきて戦う話。……いや、簡潔に言うとほんとにただそれだけの話なんですって!!
燃え要素もなくはないけど、はっきりいってかなりくだらない話だと断言します。だがくだらなさに意味がある。
これこそ文学小説では間違っても読めないカオスな物語ですええ。
超古代妹とかもはやわけわかりません。というかそれもはや妹関係ないんじゃとかそんなことは疑問に思ったら負けなのです。

07/03/02 - の記事

本日の名台詞

「お前は飛べないんだ、そう認めてしまえば楽だぞ」
それだけは冗談でも言ってはだめ。
「いいかげんにしろ、我が前に屈服したとて恥ではない。俺のほうがすべてにおいて上だと決まっているのだから」
「いやかましい、人の心を折らなきゃ守れない名誉なんか犬も食わんわ!」


タイトル:竜と箒とひかりの彼方(小説:ファミ通文庫)
作者  :とみながひろし:富永浩史
絵師  :晴瀬ひろき
デザイン:?
編集  :?
キャラ :ウィゲン&エリーナ・ウェベジーナ (260 P)



 ▼本日の作品&台詞解説▼

ファンタジーだけど学園もの。青春、というよりは仲間と協力して何かを成し遂げるという感覚が適当かなと思いますが、ゆるめの文体に見えて意外と熱かったりします。話に入り込めるかどうか個人差はあるかもしれないけれど、自分は好き。

さてさて台詞解説。
細かい舞台背景とかはあえて話しませんが、「誰よりも高く飛ぶ」ことを目標にしているエリーナにとって、飛ぶことを否定されるのは何よりも辛いこと。たとえそれが勝負の最中であったとしても

竜と箒とひかりの彼方

タイトル:竜と箒とひかりの彼方(小説:ファミ通文庫)
作者  :とみながひろし:富永浩史
絵師  :晴瀬ひろき
デザイン:?
編集  :?

陸軍魔法士官学校飛行科で魔法を勉強する生徒達のアクションファンタジー。
全体がゆるく淡々としているようで、意外と熱かったり独特な雰囲気を持ってます。
仲間と協力して独りでは出来ないことをやり遂げる、そういう青春模様もしっかり押さえたよいお話です。
で、前提としていい話だと断った上で。
巨乳のお姉さんにやたらと執着を見せる、最近ゆかいな(笑)エントリを連発中のいつも感想中の中の人にはぜひ読んでほしい話です。ええもう名指しです。
なにせ大女で胸も大きい主人公の裏?名台詞は「むぅ、今だけは、おっぱい触っても許してあげるわ」ですから!
……くれぐれも言っておきますが、基本的にはゆるくてもいい話ですからね?

07/03/01 - の記事

本日の名台詞

ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。
クジラに乗ってるハルが好きです。だってあたしが会ったハルはクジラに乗ってるハルだったから。


タイトル:クジラの彼(小説:角川書店)
作者  :ありかわひろ:有川浩
絵師  :?
デザイン:?
編集  :?
キャラ :聡子 (35 P)



 ▼本日の作品&台詞解説▼

解説はすっとばします。必要な方は表紙画像クリックにて。
ベタ甘恋愛模様です。甘い。ほんっとーに甘い。

それでは台詞解説。
潜水艦乗りは、さまざまな事情からそこらの遠距離恋愛よりもさらに事情が悪く連絡すらもなかなかまともに取れません。だから、よほど待つ方に覚悟がないと続かない。たとえ忍耐強くても、揺らいだりそれが原因で喧嘩してしまうこともある。でも、ぶつかった後で気がつくわけです。潜水艦に乗っているそんな人だからこそ好きになったんだ、と

クジラの彼

タイトル:クジラの彼(小説:角川書店)
作者  :ありかわひろ:有川浩
絵師  :?
デザイン:?
編集  :?

他の作品を知らなくても全く問題なく楽しむことが可能ですが、シンクロ率がはねあがるので「空の中」及び「海の底」読了後に読まれることを推奨します。
内容的には自衛官の彼or彼女というちょっと特殊な職業ゆえに起こる問題に揺らされながらも愛すべきバカップルな短編集です。
あーもー出てくる人物みんな男も女も含めて(たとえ30に手が届こうとも)かわいい! そこだ! 行け! バカップル!
短編なだけに間延びしないので、破壊力でかすぎ。おすすめ。